セルモーター/スターターとは?

セルモーター/スターターとは?

さて、セルモーターとはですが、「さあ出発!」といってカギを差すか、スタートボタンを押すと聞こえるエンジンが回るキュルキュルキュルという音がありますよね。あの音を出している部品です。つまり「エンジンをスタートさせるときに使用するモーター」のことです。正式には「セルフスターターモーター」【self starter motot】。訳すと、自身でスタートを行うモーターという感じでしょうか。バッテリー電源を動力として、エンジンを動かします。少し余談になりますが、昔セルモーターがなかった時代の古い車はエンジンをかけるためにクルクルと専用のレバーを手で回してエンジンをかけていたそうです。一昔前は車に乗るのも大変だったのですね。

セルモーターとスターターの違いって?

そもそも違いはありません!セルモーターもスターターも元々「セルフスターターモーター」【self starter motot】が由来で、どちらもその略称なんですね。業者さんによっても『セルモーター』と呼ぶ方もいれば、『スターター』と呼ぶ方もいます。

セルモーター/スターターの仕組み

セルモーター/スターターがエンジンを動かすまでの仕組み

セルモーター/スターターは「エンジンをスタートさせるときに使用するモーター」とご説明しましたが、ここでエンジンがかかるときにどうやってセルモーター/スターターが働くのか、そのエンジンがかかるまでの流れを見てみましょう。

  1. 鍵を回すとバッテリーに貯めてある電力でセルモーター/スターターの中のマグネットスイッチと呼ばれるスイッチがONになる
  2. マグネットスイッチが作動すると『てこの原理』でピニオンギアを押し出す
  3. 車両側リングギア/フライホイールと噛み合う
  4. ここでモーターが回転を始めピニオンギアとフライホイールも同時に回転を始める(エンジンを始動する)
  5. セルモーターを切るとマグネットスイッチも切れる為、ピニオンギアも戻る

セルモーター自体の構造は非常にシンプルで基本的にはエンジン始動時にしか使用しません。

セルモーター/スターター 故障時の症状

セルモーターが動かない、エンジンがかからない、と一口に言っても、原因は様々です。
症状や故障箇所から原因の切り分けを行っていきます。

セルモーター側の不具合

先月まで、先週まで、普通にエンジンがかかっていたという状況のときにはまずセルモーター自身を疑います。症状としては主に異音などがでます。

  • 『ウィーン』と軽い音が鳴る
    セルモーターのピニオンギアが飛び出さずに空回りしている可能性があります。マグネットスイッチの故障が考えられます。
  • 『ガガガッ』となにかがぶつかる様な音が鳴る
    これは一概にセルモーター側とは言えませんが、可能性としては、セルモーター側と車両側の噛み合う部分(ギア)の削れや欠けが考えられます。セルモーター側のピニオンギアが削れているのであれば交換する必要があります。同時に車両側リングギアやフライホイールにも摩耗や欠けが無いかを点検します。
  • たまにかからないときがある、またはたまにしかかからなくなる。
    内部部品(ブラシ)の摩耗が考えられます。これは消耗部品ですので、そろそろ寿命が近いかもしれません。

車両側の不具合

交換した直後や古い車の場合には、『セルモーターを交換してもエンジンがかからない』というときは『車両側に原因があった』ということも少なくありません。他に考えられる車両側の原因には下記のようなものがあります。

  • バッテリー不良
  • キースイッチの不良
  • 配線の不良

『セルモーター自体が動かない』というときには、そもそもセルモーターにしっかりと電力はきてるのか、キースイッチは正常に作動しているかなど、可能であればセルモーター単体テストなどで確認します。単体では動くものが取り付けると動かない、ということはいずれかに原因がある可能性が高いです。

「セルモーターは叩けば直る!」は本当?


セルモーターには『ブラシ』という部品があります。ブラシはコンミュテーターという部分にバネで押し付けられることにより通電性を高める役割があります。消耗して短くなってくると接触不良を起こし、通電性が悪くなります。よって、回転が落ち、エンジンがかからなくなります。
片減りしている場合等は叩くことにより接触が少し良くなり、通電し、回転するという一時しのぎのような方法なのです。つまり、叩かないと動かないセルモーターはもう部品の寿命が来ているということ。叩くことで他の箇所に悪い影響も与えますし、完全に直ることはありませんので、速やかに修理・交換をおすすめします。

そもそもセルモーター/スターターの寿命は?

ではセルモーター/スターターの寿命、いったいどれくらいで交換だと思っていればよいでしょうか。セルモーターは、エンジン始動のたびに使う大事な部品ではありますが、走行にはあまり関連がない部品なので意外と長持ちします。たいていは走行距離が10万~20万キロでも大丈夫と言われています。
しかし、宅配車や営業車など、一般車よりも乗り降りが多い車は注意が必要です。実はセルモーターでは走行距離よりも、エンジンをかける回数が重要な為です。また、エンジンをかけるときに必要以上に長く鍵をひねっているような動作には要注意です。これはセルモーターにとてもダメージがかかり、寿命を縮めてしまいます。
車自体が古い場合、他の部品の老朽化などからエンジンがそもそもかかりにくい場合、セルモーターを比較的長く回さないとエンジンがかからないような車体はセルモーター/スターターに負荷がかかります。いずれにせよ、車の一番大切な動作であるエンジンの始動にかかわる重要な部品なので、少しでも兆候が出ているようであれば早めの点検、交換をおすすめします。

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