カーエアコンが故障?!効かない原因と修理費用

今や必需品!カーエアコンの効きが悪い&故障する原因

真夏の晴天時における車内温度はまさに灼熱、何も対策を取らず長時間放置している場合は実に70度以上、サンシェードを付けたり窓を少し開けていたとしても、50度を軽く超えます。
そんな時、威力を発揮するのが車内を適温に保つ「カーエアコン」ですが、構造上不具合を起こしやすい装備の代表格であり、効きが悪いと快適にドライブできませんし、故障して全く効かなくなると、命にかかわる健康被害も発生しかねません。

そこで、カーエアコンの効きが悪く心地よい室温にならない、あるいは完全に故障して効かなくなる原因をケースごとに解説したのち、故障を予防するメンテナンス術や修理に要する費用などについてまとめていきます。
なお、カーエアコンには冬場車内を温める暖房機能も備わっていますが、こちらはエンジンが発する熱を利用しエアコンの機構とあまり関係ない仕組みで機能しているため、今回「効き」と表記して解説していくのは、「冷房」のこととご理解ください。

ケース1 カーエアコンの効きが弱い

少しずつ冷えているがなかなか適温にならない、つまりカーエアコンの効きが弱くなるのは、経年使用によるエアコンガス不足が最も多い原因です。

半永久的にガスが減らない家庭用エアコンと異なり、常に強い振動にさらされるカーエアコンの場合、循環パイプ接合部のわずかなクリアランスから、少しずつガスが漏れるため起きる現象であり、3~4年かけ徐々に効きが悪くなる程度は正常範囲内。カー用品店やディーラー、ガソリンスタンドなどでガスを適量補充すれば、正常な状態へ復旧しますが補充後すぐにまた効きが悪くなる場合は、カーエアコンシステムのどこかが破損し、急激なガス漏れが発生している可能性もあります。

ケース2 カーエアコンが全く効かない

ガスが一定量を下回るとガスを液化させるカーエアコンの心臓部、「コンプレッサー」が作動しないため全く効かなくなりますし、エンジンの動力をベルトを介してコンプレッサーに伝え断続させる、「電磁クラッチ」が故障した場合も同様の症状が発生します。

ガス補充or電磁クラッチの交換を実施した結果、コンプレッサーが作動したにもかかわらず、それでも効きが回復しない場合は、

  • コンデンサ
  • レシーバー
  • エバポレーター
  • エキスパンション

などといった構成パーツに、詰りや故障が発生していないか点検し、必要に応じて清掃や部品交換をすることになります。
また、コンプレッサーは電磁クラッチが正常でスイッチが入れば上記パーツに不具合が発生していても、「お構いなし」にドンドン圧力を上げていくため、コンプレッサーへ過度な負荷がかかっている可能性大。

カーエアコンが全く効かなくても走行に支障がないため、窓を開けてしのげる季節は後回しにしがちですが、コンプレッサーが焼き付き故障すると非常に大きな修理コストが発生するので、「効かない」と感じたらできるだけ早めに修理工場などで点検しましょう。

ケース3 カーエアコンから風が出ない

ブロアモーター、もしくはレジスターという部品が故障した場合、送風口からエアコンの風が一切出なくなるという症状が出ます。
前兆として、カーエアコン始動時にガタガタという異音が発生したり、送風が断続的に繰り返されたりすることもありますが、ある日突然一切風が出てこなくなった場合は、エアコンブロアのヒューズが切れているだけの可能性も多々あります。
ヒューズが切れていない場合、モーター・レジスターを外し解体、基盤のハンダ割れや接触不良などが認められない場合は「部品交換」となりますが、いずれもアクセスしにくい場所についているため、DIYはあきらめたほうが無難です。
一方、単なるヒューズ切れの場合はペンチさえあれば、誰でも比較的容易に交換できますし、ヒューズ自体もホームセンターやカー用品店で安く販売されていますから、安全面に留意したうえでDIYにチャレンジするのもアリです。

ケース4 しっかり効くがなんだか臭い

前述したように、カーエアコンは車内を除湿する役目も担っていますが、外部からの湿気をキャッチするエアコンフィルターや、蛇腹状のエバポレーターにはカビや雑菌が発生しやすく、始動と同時に嫌な悪臭が車内に充満することもあります。
しっかり効くなら臭いは我慢しよう…という方もいるでしょうが、カーエアコンにカビが発生している状態のまま車内で長時間過ごしていると、飛散したカビの胞子や雑菌を大量に吸い込むことになり、気管支ぜんそくやアレルギーなどの原因になりかねないので注意。
最も手軽、かつ高い費用対効果が望めるのがエアコンフィルターの交換で、プロへの依頼はもとよりコツさえつかめばDIYも十分可能なうえ、交換後すっかり臭いが消えることも多いため、チャレンジする価値アリです。

一方、エバポレーターに関しては部品代がかさむため交換ではなく、内部洗浄で臭いの除去を目指すことになり、カー用品店などでは安価なクリーナーも市販されています。
しかし、業務用クリーナーより洗浄効果が低いうえ、ダッシュボードを取り外しブロアファンへ直接クリーナーを注入する必要があるため、「難しい」と感じた場合は素直にプロへ依頼したほうがいいでしょう。

症状別カーエアコンメンテナンス&修理費用

ガス充填・交換(クリーニング)費用相場

カーエアコン・ガスの規定量は車種によって異なり、基本的に車両サイズが大きければ規定量も多く目安としては、

  • 軽自動車・・・350±50g
  • コンパクトカー・・・450±50g
  • セダン・・・600±50g
  • 1BOX、RV・・・700±50g

ほどになっており破損を伴わない自然減少の場合、車種に関わらず1本(200g)補充すれば十分効きが回復し、費用は「ガス本体料金2,000~2,500円+工賃1,000円」あたりが相場です。
また、いったんカーエアコン内のガスと古いオイルをすべて回収、真空引きで致命的な漏れがないかを確認したうえで水分・不純物・古いオイルを除去し、定量のガスと新オイルを再充填する「エアコンガスクリーニング」も、効きの回復と故障予防の双方で効果的。
平成6年以前のカーエアコンに使用されていた「R12」や、次世代ガスの「R-1234yf」には非対応ですが、現在主流である「R134a」ならハイブリットにも対応しており、費用は6,500~8,000円程度なので常時エアコンを使用する方は、こちらを試したほうが良いでしょう。

ガス漏れ及び電磁スイッチ不良時の修理費用相場

エアコンガスが自然に減っていっただけでなく、亀裂などにより漏れていた場合は、ガスを補充してもまたすぐになくなってしまうため、ガス漏れが発生している箇所の修理が必要です。
破損場所や業者によって費用はまちまちながら、平均2~3万円の費用が必要であり手痛い出費ですが、作業に伴い必然的に古いガスがすべて抜け新鮮なガスと入れ替わり、効きが格段に良くなるため、複数年単位で乗り続ける予定ならやむを得ないところです。
また、電磁クラッチを部品交換する場合は「2~3万円+工賃」程度が相場で、熟練した修理工場ならクリアランス調整の実施などによる、交換ナシの修理を1万円以下で請け負う所もありますが、すぐに再発する可能性は当然伴います。

リビルト品でもOK?コンプレッサー交換費用相場

カーエアコンの故障のうち、最も費用がかさむのがコンプレッサーの交換で、新品との交換の場合、軽自動車で4~5万円、普通車であれば7~10万円の部品代と2~3万円が相場である交換工賃及び、規定量のガス充填代が必要となります。
車検切れと共にエアコンが故障した時を、「乗り換えタイミング」にするユーザーも多いのは修理費用の高さが影響しており、知人の現役査定士によると最近はざっと内外装をチェックした後、すぐにエアコンがしっかり効くか確認するのだそう。ただ、愛着があったりまだ新しい車の場合は修理して乗り続けたいと考える方が多いのも事実。そんなユーザーにおすすめしたいのがリビルト品の存在。

使われていた車から取り出した中古部品に洗浄・修理・調整したリビルト品は、新品同様の品質を備えながら価格がリーズナブルで、車種によりますが安いもので新品価格の半額以下で購入可能です。
この後解説する関連パーツは新品への交換が望ましいですが、コンプレッサーに関しては元々部品代も高額なので、リビルト品を購入して信頼できる修理工場に持ち込み交換を依頼するという方法も、修理費用を節約したいなら選択肢に入れるべきです。

ブロアモーター&レジスターの交換費用相場

ブロアモーターは新品ASSYでおおよそ2万円台、レジスターは軒並み1万円程で購入でき工賃は1,5万円程度が相場で、作業工程でガスが抜けることもないため、コンプレッサーに比べれば低価格で部品交換可能です。いずれも、中古品やリビルト品を用いず新品への交換がセオリーですが、基盤のハンダ割れ修復や清掃などのオーバーホールによる作動回復も可能で、電装系の修理が得意な業者に当たれば、1万円以下で修理できることもあります。

エアコンフィルター交換&エバポレーター洗浄の費用相場

エアコンフィルターが汚れると、臭いの発生はもちろん、エアコンの効きも低下してしまうため、プロ目線からアドバイスするなら1年に1度、少なくとも2年に1度は交換しましょう。取り外しマメに洗浄することで幾分長持ちしますが、部品代が2,000円程度であることと脱着の手間を考えると、ネット通販で適合商品を安く購入・DIY交換したほうが、手っ取り早いでしょう。
一方エバポレーター洗浄は、故障を防ぐ意味でもプロ業者に依頼したほうが無難で費用は5,000~10,000円程度、ショップよって使用するクリーナーの品質や工賃に差があるため、事前に評判をリサーチし、依頼先を決めましょう。

まとめ

カーエアコン関係は熟練した技術が必要なので工場選びが大切

今回、カーエアコンの故障について解説してきましたが、どこからどの程度ガスが漏れているのかや、何が原因で不具合を起こしているのかなど、故障個所を特定するため専門の測定機器と経験値が不可欠な装備の代表格です。ガス補充・クリーニングやフィルター交換、エバポレーター洗浄程度ならガソリンスタンドやカー用品手も十分ですが、オーバーフォールや部品交換を伴う修理の場合は、エアコンの修理を専門的に行っている工場や、電装店に相談したほうが良いでしょう。

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writer_Kenta

元整備士・販売員の経験に基づき、裏話やネタバレを中心に記事を執筆しております。

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